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【1878_三浦綾子_天北原野(上)_朝日新聞出版社】
著者:三浦綾子
朝日新聞出版社

 三浦綾子さんの他の作品同様に、罪深い人間たちがダイナミックに描き出されているが、これでもかとめまぐるしく事態が変わっていく展開にページを捲る手がとまらず、イッキに読み進めてしまう。苦難の中、それぞれの人生を歩み再会を遂げる、貴及と孝介との涙無しには読めない。
 北海道ハマベツ。貧しいこの土地で生まれ育った美しい貴乃と小学校校長の息子孝介は互いに愛し合い、結婚の約束を結んでいた。しかし製材所の息子完治の恐ろしいたくらみによって、孝介は遠い樺太へと旅立ち、完治は貴乃に対して執拗な求愛を続ける。
 苦難の中、それぞれの人生を歩んだ貴及と孝介は再会を遂げる。貴及と孝介の涙無しには読めない。北の果ての原野で、苛酷な苦難と運命に耐え抜く人々の姿を通じ、生きることの尊厳と意味を問いかける大河小説。※現在、朝日新聞出版社のものは絶版で、新潮文庫の上巻と下巻で出版されている。
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