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【1992_三浦綾子_塩狩峠_新潮社】
著者:三浦綾子
新潮社

 三浦綾子の名作。明治42年2月28日、塩狩峠にて人命救助のため殉職の死を遂げた長野政雄さんが主人公の原型。主人公の永野信夫が人格を形成して成長する姿を通して、三浦綾子さんの本音が表白されている作品とも言われている。
 旭川、肺病、カリエス、キリスト教、すべてが三浦綾子さんの体験だからこそ描写が細かく、そして私たちに問いかけてくれる。補遺も読ませてもらったが、三浦綾子さんがどれだけ感銘を受けてしっかり取材して構想されたかわかる。何年後にまた再読したいと思えた作品だ。
【2025年追記】
 恋人の吉川ふじ子さんに、私は想いを寄せていたが、まさに三浦綾子さん自身ではないかとも感じてしまった。
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